2022.09.05

これからのVUCA時代を生き抜くために必要な『I&W仕事価値観』とは?③ ~ワークハード 編~

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ビジネスパーソンだけでなく、アスリートや研究者など、あらゆる分野で一流とされるプロフェッショナル。これらの人が共通して持っている仕事価値観が「ワークハード(Work Hard)」です。 

 

iPS 細胞研究の第一人者である山中伸弥教授も、著書やインタビューの中で「研究者として成功するための秘訣」のひとつとして挙げています。「ハードワーク(Hard Work)=きつい仕事」とは異なり、「懸命に仕事に打ち込むこと」を大切にする価値観のことです。 

 

「ワークハード」といえば、日本では多くの人がブラック企業をイメージします。他に適切な表現がないかと議論を重ねましたが、この言葉以上に「一流の共通点」を的確に表しているものはないと考えました。当社ではあえてこの表現を用いています。 

 

世界的ベストセラーとなった、教育学者のアンジェラ・ダックワース著『GRIT』。同書でも、ビジネスリーダーやエリート学者、オリンピック選手といった一流の共通点は「一万時間の集中的努力」、それも「工夫・改善を伴う意図的な実践と訓練」を行なっていたことだと述べられています。 

 

1 日 8 時間、365 日休みなしで働き続けた場合でも、一万時間に到達するには約 3 年半かかります。しかも「工夫・改善を伴う意図的な実践と訓練」は相当な集中力を要するもの。『GRIT』でも、通常は 1 日 3 ~ 5 時間が限界とされています。 

 

仮に 1 日 4 時間を工夫・改善を伴う意図的な実践と訓練に費やし、年に 245 日働く(120 日休み)とした場合、一万時間に到達するまで約 10 年間です。 

 

これからの時代は、変化が激しい。過去の成功例が「正解」として機能しない。量をこなすだけではなく、創造性が求められています。革新的なアイデアを生み出すには、一流の研究者や科学者がそうであるように、常に考え続けることが不可欠です。 

 

ワークハードの重要性を意識する。改めて、大切なことだと考えています。 

 

 

最後に、これまでの『これからのVUCA時代を生き抜くために必要な『I&W仕事価値観』とは?①~③』で述べてきた「インナーコーリング(I)」と「ワークハード(W)」ですが、別々ではなく、「I&W 仕事価値観」として捉えることを勧めています。 

 

インナーコーリングという目的のために、ワークハードを実践する。つまり他人のため、組織のため、社会のためを考え、全力で仕事に打ち込む。この相乗効果で、人や社会に与える好影響は大きくなります。結果として、得られる充実感も大きくなるといえるでしょう。 

 

より高いレベルを目指すならば「所属する組織の商品・サービスで社会をより良くする」という意識を持って努力することが必要です。自分たちが扱っている商品・サービスは、本当に世の中をより良くすることに貢献しているか?利益ばかりを追求することで、社会に害をもたらしていないか?こうした自問をしながら、商品・サービスをより良く変えていくことが重要です。 

 

今回のコロナ禍による世界の危機に際し、私たちはこうした仕事価値観を持つ人が増えることが必要だと考えています。