2023.01.05
これからのVUCA時代を生き抜くために必要な『ビジネスマインドセット』とは?
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以前投稿した「これからのVUCA時代を生き抜くために必要な『I&W仕事価値観』とは?② ~インナーコーリング 編~」では、インナーコーリング仕事価値観のメリットや3つの仕事価値観(※)についての比較について紹介しました。
※再掲:図1 3つの仕事価値観の比較
インナーコーリングは独自の概念ですが、イェール大学 経営学大学院教授である、エイミー・ レズネスキー氏らの「人と仕事の関係」に関する研究をベースとしています。レズネスキー氏らによって、仕事の目的は三つに分類されました。ジョブ(JOB)、キャリア(CAREER)、コーリング(CALLING) の3つです。
ただ、この「コーリング(CALLING)」は、多くの人が持つことは難しいのではないかと考えました。純粋に「社会的意義のため」に働くのは高尚すぎる、と敬遠してしまう人が多いためです。そこで「仕事の目的は自分のためでよい」という前提に立って考案したのがインナーコーリングです。
利他的な行動をとるのは、あくまで自分のため。「結果的に自分の評価が高まるから」といった動機で問題ない。目的を「幸福感向上」という自身のメリットに落とし込むことで、CALLINGより現実的で、すべての人が持ちうる利他的仕事観になると考えました。
「インナーコーリングはすべての人が持ちうる価値観である」という考え方は、人類史にも基づいています。『ヒューマン ~なぜヒトは人間になれたのか~』(NHK スペシャル取材班)が参考になりました。
人類の祖先が絶滅の危機に瀕した、約7万4000年前。著しい寒冷化により多くの動物が死滅していく中、人類で生き残れたのは、わずか2000人だったと推測されています。
彼らに共通して いたのは「利他的行動」。例えば、食料を独占するのではなく、見知らぬ他人とも分かち合う。こうした気付きが苦境の中で生き抜く鍵となったと考えられます。
私たちはこの生き残った人々の子孫です。共通祖先から引き継いだ、誰もが持っている、“いわば利他的な遺伝子を引き出しさえすればいい。”これが、インナーコーリングの根底にある考え方です。