2024.03.18

【調査レポート】優秀人材が定着する職場環境に関する調査

仕事や本業を通じて社会課題の解決に挑む「人と組織」の育成を目指す一般財団法人 エン人材教育財団(所在地:東京都新宿区、理事長:越智通勝)は、2023 年 11 月 22 日~2023 年 11 月 27 日にかけて、人事部長以上の人事役職者に対して「自社の職場環境」に関する意識調査を実施し、調査結果をまとめました。

<調査概要>
■ 調査対象: 従業員規模 500 名以上の企業の人事部長・経営層   ■ 回答人数: 296人
■ 調査期間: 2023 年 11 月 22 日~2023 年 11 月 27 日        ■ 調査方法: インターネット調査
※20代の離職率(~5%未満:24.3%、5%以上10%未満:22.6%、10%以上15%未満:22.0%、15%以上20%未満:5.1%、20%以上:26.0%)

 

【調査結果概要】
・切磋琢磨の雰囲気がある企業の20代離職率は低い傾向
・20代から自分で考え、工夫する機会が多い仕事を提供している企業は20代離職率が低い結果に
・実力を評価し、20代から管理職に抜擢する企業の20代離職率が低いことが明らかに


【調査担当者からのコメント】
今回の調査結果では、社員が成長しやすい職場環境を作っている企業ほど、20代の離職率が低いことが分かる結果となりました。昨今の「ゆるブラック」という言葉が示す通り、若手社員は成長機会があり、実力を正当に評価される企業で働きたいという思いが推察されます。競争環境の変化に応じて仕事の仕方を変えることができる「変化対応力」が高い人材や専門的なスキルを持っている人材を有している企業の20代離職率が低いことは注目したいポイントです。転職市場で価値の高い人材がいる企業の20代離職率が低いことは、市場価値が高まる会社であれば、留まり続けたいという考え方の表れなのかもしれません。
20代を定着させるには、働きやすさのみならず、社員の成長を考えた環境作りや風土醸成が大切であることが示唆される調査結果だったと思います。

エン・ジャパン CSA 賞実行委員会 千葉 純平

 

 

Q1. あなたがお勤めしている会社の直近1年間以内の20代正社員の離職率についてお知らせください。(単回答)

勤めている会社について、「直近1年間以内の20代正社員の離職率」を聞いたところ、20代正社員の離職率が0%以上5%未満が35%、5%以上10%未満が23%、10%以上15%未満が22%、15%以上20%未満が5%、20%以上が15%という結果になりました。

 

 

Q2. あなたがお勤めしている会社の現在の切磋琢磨の雰囲気についてあてはまるものをお知らせください。(単回答)

勤めている会社の「現在の切磋琢磨の雰囲気」聞いたところ、「切磋琢磨の雰囲気がある」と回答したのは、離職率が5%未満の会社が35.58%、5%以上10%未満の会社が37.31%となり、離職率が10%以上の会社と比較して、高い数値が出る結果となりました。離職率が低く人材が離れにくい会社は、切磋琢磨の雰囲気があることがわかりました。

 

 

Q3. あなたの職場環境では20代など若手時代の仕事は、指示通り正確に実行することが求められる仕事がメインですか。それとも20代から自分で考え、工夫する機会が多い仕事を与えられていますか。(単回答)

「勤めている会社の風土」について聞いたところ離職率が5%未満の企業で53.85%、離職率が5%以上10%未満の企業で67.17%が「20代から自分で考え、工夫する機会が多い仕事を与えられている」に近いと回答しました。離職率の低い企業は仕事において自分で工夫する機会や物事を考える機会が多いことが推察される結果となりました。


 

 

Q4. あなたがお勤めしている会社では管理職への昇進は、年齢や経験が必要ですか。それとも20代でも管理職に抜擢される機会がよくありますか。(単回答)

管理職への昇進の現状は、「管理職になるには年齢や経験が必要か。それとも20代でも管理職に抜擢される機会がよくあるか」を聞いたところ、離職率が5%未満、5%以上10%未満の企業は離職率が高い企業に比べて20代でも管理職に抜擢される機会が高いことが分かりました。20代でも実力を評価され、管理職になるチャンスが多い企業は離職率が低くなる傾向が分かりました。


 

Q5. あなたがお勤めしている会社は、労働市場で求められる専門的なスキルを有している従業員が多いですか。(単回答)

勤めている会社の「労働市場で求められる専門的なスキルを有している従業員の多さ」について聞いたところ、「非常にあてはまる」「あてはまる」と回答した人の合計は、離職率が5%未満の会社は40.38%、10%未満の会社は49.25%となりました。労働市場で求められるスキルを習得した人材を育成した企業は、離職率が低いことが推察できる結果となりました。

 

 

Q6. あなたがお勤めしている会社は、競争環境の変化に応じて仕事の仕方を変えることができる従業員が多いですか。(単回答)

競争環境の変化に応じて仕事の仕方を変えることができる従業員が多いか」を聞いたところ、競争環境に対して自分を柔軟に変化していると考えらえられる人は、離職率が10%未満の企業に多いことがわかりました。

 

 

Q7. あなたがお勤めしている会社の5年前(2018年)に新卒入社した社員と、最近(2023年)新卒入社した社員の仕事における成長速度の差についてあてはまるものをお知らせください。(単回答)

勤めている会社について、「5年前(2018年)に新卒入社した社員と、最近(2023年)新卒入社した社員の仕事における成長速度の差」について聞いたところ、離職率が5%未満の会社は離職率が5%以上の会社と比較して、成長速度が速いと回答した人が6ポイント以上多い結果となりました

 

 

【一般財団法人 エン人材教育財団の取り組み】

エン人材教育財団は、就業を希望する方々および仕事を通じた成長を目指す方々に対する支援を目的とした活動を行う財団法人です。仕事を通じて社会課題の解決に挑む人と組織の育成を目指しています。現在は、20代に薦めたい「次世代型人材」創出企業を表彰する「CSA賞」、海外進学奨学金事業、大学生向けキャリア支援プログラム「en Career Creation Lab.」を展開しています。

私たちの事業を通じ、多くの若者に社会をよりよくする想いを持ってほしい。そして、想いを実現するために懸命に働き、自らを成長させることが、彼らの人間性を向上させ、ひいては、よりよい社会を築いて行くことに繋がると考えています。若手人材の就職やキャリア開発の分野で、ビジネスでは埋めきれない課題に向き合っていくことが、私たちの大切な使命になると考えています。

【一般財団法人 エン人材教育財団 概要】

名称   :一般財団法人 エン人材教育財団
所在地  :東京都新宿区舟町4-4
事業所  :東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー35階
設立日  :2011年8月31日
理事長  :越智 通勝(エン・ジャパン株式会社 取締役会長)
活動目的 :就業を希望する者に対する就職の支援
事業内容 :
1.就職に関するシンポジウム及びセミナーの開催
2.就職に関する調査研究及び調査研究結果の公表の実施
3.就職支援及び指導
4.就職支援に関する本の出版
5.有価証券投資事業
6.その他目的を達成するために必要な事業
基本財産 :エン・ジャパン株式会社 株式15,300株 現金 1億3千万円
財団URL : https://en-hec.or.jp/