2022.11.30

『どこでも通用する力“CSA”』の高め方とは?②~CSA を高める職場環境編~

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前回の「どこでも通用する力“CSA”』の高め方とは?①~考え方・能力編~」で紹介した「考え方」「能力」を身につけ、CSA の向上を促進するのが、下記の 4 つの条件がそろった職場に身を置くことです。

特に若いうちにこうした環境を選んでおくと、スピーディーな成長が促進され、将来の可能性が広がります。

当財団が定義する、社員のCSA を高める職場の条件は下記 4 つです。

① 社内外の競争が激しく、成長基調で活気がある
② 20 代から、チャレンジングで困難な非定型業務を求められる
③ 性別、国籍、学歴、在籍年数に関係なく、実力で正当に評価される
④ 本業の商品•サービスで、自社独自の「主観正義性」を実感できる

つまり社内外から適度なプレッシャーがあり、今の自分の実力よりも難易度の高い仕事を任され、成果が正当に評価される。自分の家族や親友にも薦められる商品・サービスを扱うことができ、その社会性の高さに誇りが持てる。こうした環境は、CSA を高めやすくします。

重要なのは、学生の就活人気ランキングで上位になるような企業だからといって、成長環境が整っているとは限らないということです。目先の給与や知名度ではなく、自身の成長を考えた職場選びを行なうことが大切です。

以下では、それぞれの環境について詳しく解説します。 


①社内外の競争が激しく、成長基調で活気がある


その企業が属している市場の競争が活発であること。社員同士も競争し合い、刺激と緊張感のある環境であること。社内外の激しい競争は、必然的に社員一人ひとりへの要望度を高め、知恵を絞らせます。高い壁に挑み、工夫を重ねることで、成長スピードが加速していきます。

会社の業績が成長基調で、活気がある。これも重要なポイントです。挑みがいのある仕事やポストが多く生まれるからです。ただし急激に景気が落ち込むような時は、どの会社も減収減益になって当然。アップダウンがあっても、5 ~ 10 年スパンで見た時に右肩上がりであれば OK です。


②20代から、チャレンジングで困難な非定型業務を求められる


誰でも比較的簡単にクリアできる仕事では、成長は望めません。20 代など若いうちから、実力以上の仕事に挑む機会が得られる。脳に汗をかくような、創造性が必要な仕事を任される。これらが重要です。企業規模が大きいと「重要な仕事を任されるのは早くて 30 代後半」という職場も多いですが、CSA を高めるのには適していません。

「部下に対する要望度が高い上司」が多いこともポイントです。管理職が、部下に気を遣いすぎて要望度を下げている環境は望ましくありません。高い目標の達成を支援してくれたり、期待をかけ、身の丈以上の仕事にも挑戦させてくれる上司が多くいる環境に身を置けば、成長のスピードは上がります。


③性別、国籍、学歴、在籍年数に関係なく、実力で正当に評価される


差別なく、実力で正当に評価される会社であること。どんなに意欲があっても、仕事の成果以外の理由によって不当な評価を受ける環境では、モチベーションを維持したり、新しい仕事に挑むチャンスを得ることは難しくなります。

たとえば仕事ぶりに関係なく、上位校出身ならほぼ確実に課長まで昇進 できる学歴主義。年齢や在籍年数で役職や給与が決まったり、30 歳前後まで評価にほぼ差がつかない年功序列。性別や国籍によって評価の偏り が顕著である会社は避けたほうが良いでしょう。


④本業の商品•サービスで、自社独自の「主観正義性」を実感できる


社会的にはまだ問題視されていない事柄を、主観的に課題と捉え、自社なりの正義を主張する。こうした考え方を当財団では「主観正義性」と呼んでいます。「主観正義性」を持つ企業で働くと「世の中のためになる仕事ができている」と実感しやすくなります。

「主観正義性」は、競合他社との差別化と持続可能な成長につながる要素でもあります。こうした姿勢のない企業は、他社との明確な違いが打ち出せず、横並びにならざるを得ません。価格競争に巻き込まれ、淘汰される危険にさらされます。この意味でも職場選びの重要な観点だと言えます。

たとえば、第1回CSA賞 受賞企業『オイシックス・ラ・大地株式会社』では、「安全でおいしい食卓を多くの人に届けたい。食を作る人が、報われ、誇りを持てる仕組みを構築したい。」そんな消費者側・生産者側の両者に対する「主観正義性」を、企業理念や商品・サービスに反映しています。

社員の皆さん一人一人も「お客様1人1人の悩みをどうやったら解決できるか?」「生産者の想いをもっと伝えるにはどうしたらいいか?」という思いを持って仕事に取り組んでいる点などが受賞理由となりました。


こうした環境がひとつでも多く整っているほど、CSA は高まりやすくなります。自分で道を切り開ける力を身につけるためにも、この 4 つの条件を重視して職場を選ぶことをお勧めします。

誰かのため、社会のためを考えて、懸命に仕事に打ち込む。そして、どんな職場環境でも通用する考え方や能力を身につけ、自らで道を切り開いていく。これが変化の激しい時代でも活躍し続けるためのポイントです。

一人でも多くの方に、自らで道を切り開けるだけの力を身につけ、充実した仕事人生を送っていただきたい。それが当財団としての願いです。これまでのコラムがその一助になれば、これ以上の喜びはありません。

CSA賞では、『20代に薦めたい次世代型人材創出企業』として、これまで紹介した「4つの環境」が揃っている企業を表彰しています。過去2回の受賞企業はこちらです。是非チェックしてみてください!

【第1回受賞企業

第2回受賞企業